高品質スクリーン印刷用 技術情報 ステンレスメッシュ、製版、印刷まで

アサダメッシュが推奨するスクリーン印刷の標準 - A(ASADA)標準

近年、スクリーン印刷は急速な要素技術の向上により、様々な分野で50ミクロン以下の細線が量産で印刷され始めようとしています。汎用性が高いことで知られるスクリーン印刷ですが、高品質な印刷を実践するためには、メッシュ材料の選択から印刷条件の設定まで全てを適正化する必要があります。
アサダメッシュは、ステンレスメッシュを使用した高品質スクリーン印刷を多くの人に実践していただく為に、弊社独自のA(ASADA)標準を提案します。

1 スクリーンメッシュの選択方法について

① 強 度

スクリーンメッシュは量産で使用することを前提に、できるだけ強度が高いものを選択してください。メッシュの強度は版離れや印刷寸法精度、版寿命などに大きな影響を与えるため、最も重要な項目になります。特に高メッシュになるほど強度は低下しますので、ファインライン印刷では注意が必要です。アサダメッシュ規格表の「強度指数」を参考にしてください。寸法精度の要求が厳しい場合、または高粘度ペーストで版離れが困難な場合には、特に強度が高いHS-Dメッシュ(超高強度メッシュ)を使用してください。

② 開口率

開口率の大きさにより印刷時のインクの吐出性が左右されます。開口率が高すぎるとインク吐出過多の不具合を引き起こし、印刷解像性が悪化します。アサダメッシュは、ファインラインの印刷には開口率40%を推奨しています。

③ メッシュ厚

メッシュ厚は版解像性や印刷膜厚に影響を与えます。ステンレスメッシュの厚みは、カレンダー(圧延)加工により、薄く、均一にすることができます。規格表以外の厚みも対応可能です。

④ メッシュ数

版開口幅がスクリーンのメッシュピッチ(25.4mm÷メッシュ数)の2倍以上の場合、最も安定して印刷できます。インクの印刷性能が高い場合は、メッシュピッチの1.5倍でも良好に印刷可能です。インクの粘弾性をさらに最適化できれば、ピッチの0.8倍までの印刷が可能です。

推奨 ステンレスメッシュ
タイプ メッシュ
(本)
線 径
(µm)
紗張り 開口率
(%)
メッシュ厚
(µm)
強度指数 ピッチ
(µm)
ノーマル カレンダー
BS 325 28 直張り 41% 60 55/40 1.00 78
MS 400 23 直/PSコンビ 41% 55 40/26 1.08 64
MS 500 19 PSコンビ 39% 41 36/20 0.93 51
MS 640 15 PSコンビ 39% 35 21/17 0.73 40
HS-D 360 25 SSコンビ 42% 59 41/29 2.56 71
HS-D 500 19 SSコンビ 39% 45 25 2.05 41
HS-D 650 14 SSコンビ 41% 34 23/17 1.45 39
※ PSコンビ=ポリエステルメッシュ+ステンレスメッシュ、SSコンビ=ステンレスメッシュ+ステンレスメッシュ

2 スクリーン製版について

① バイアス角度

標準は、22.5度です。メッシュピッチと印刷パターンが同期し、モアレが出る場合には30度または35度としてください。バイアス角度は、メッシュのタテ糸方向を基準としています。 印刷時のスキージ方向は、タテ糸の方向に合わせてください。HS-Dメッシュの標準は20度です。

② 紗張り

メッシュを直接スクリーン枠に張る「直張り」と外周を弾力性のあるメッシュで繋いだ「コンビ張り」があります。高メッシュ品は、メッシュ材料の使用効率が高いコンビ張りが標準です。 コンビ張りは、先に外紗(外周メッシュ)を枠に貼り、その後内紗(印刷用メッシュ)を中央部に貼りつける「先張りコンビ法」と、予め外紗と内紗を繋いだメッシュ(コンビシート)を紗張りする「ダイレクトコンビ法」があります。アサダメッシュは、寸法精度が高い「ダイレクトコンビ法」を標準としています。

③ テンション

十分に強度が高いスクリーン枠を選択し、メッシュを均一に紗張りしてください。
強度指数が1.0以上の場合:0.23 ±0.02 mm ( 28±2N/cm )
強度指数が0.7前後の場合:0.27 ±0.02 mm ( 23±2N/cm )

※ PROTEC社製-STG80NAで測定。
※ 強度指数が2.0以上の場合は、0.15mm(48N/cm)の高テンションも可能です。
④ 印刷エリアとコンビシートサイズ

高品質スクリーン印刷が可能なパターンエリアは、スクリーン枠内寸の50%以内です。コンビシートの内紗サイズの大きさは、枠内寸の約75%です。

⑤ 乳 剤

乳剤は耐溶剤性と解像性が高いものを選択し、乳剤厚20ミクロン以下の場合は「フラット加工」を施してください。(ポリイミドや酸性インクには、専用乳剤を使用してください。) 低粘度インクの印刷でにじみを防止したい場合は、「撥液性」のある乳剤が有効です。

3 印刷条件の設定について

① スキージ

スキージは耐溶剤性、耐摩耗性の高いウレタンゴムの硬度80度の平スキージが標準です。 (形状9×50mm)機械研磨後、水ペーパー1000番でエッジの面取りをし、50ミクロン程度の丸みを付けて下さい。面取りはエッジが欠けを防ぎ、スキージムラを低減します。アタック角度を55度以下にする必要がある場合は、斜め両面研磨スキージ(硬度80度)を使用してください。

※1. ミノグループ社製 ミノプレーン®硬度80度または相当品
※2. ミノグループ社製 WSカットスキージ®または相当品
② スクレッパー

スクレッパ―は印刷中、スクリーン版上のインクを戻し、メッシュの乾きを防ぎ、印刷均一性を高める重要な働きをします。高粘度インクでは、スクリーンメッシュ面よりも0.5〜1.5mm程度押し込んで使用してください。

③ 印刷パラメータ

印刷パラメータはクリアランス、スキージ印圧、スキージ角度、スキージ速度の4つです。

クリアランス

強度指数1.0のメッシュで標準テンションの場合、標準クリアランスは、スクリーン枠の内寸の1/300です。 10000回の印刷でも「版ひずみ」を起こしません。

テンション(PROTEC社製) クリアランス
STG75B STG80A 320(内寸280)mm角 550(内寸470)mm角 1000(内寸900)mm角
0.95mm 0.23mm 0.9mm 1.6mm 3.0mm

強度指数が大きいほど、クリアランスの許容値は大きくなります。強度指数「2.05」のHS-D500メッシュは、標準クリアランスの2.5倍でも「版ひずみ」がありません。

スキージ印圧

スキージ長さ1cmあたり400〜500グラム以上の十分な印圧を加えてください。 例)スキージの長さが50cmの場合、20〜25キログラム以上 スキージ印圧が低すぎると、印刷膜厚の均一性が損なわれます。 高粘弾性インク印刷の場合、スクリーン版上のインクの掻き取りの為にも十分な印圧が必要です。

スキージ角度

スキージ角度は「充てん力」に大きく影響を与えます。スキージ角度を小さくすると「充てん力」は大きくなります。通常の印刷では70度前後、高粘弾性インクでは60〜40度、穴埋め印刷では30〜20度に設定します。

スキージ速度

スキージ速度を遅くすると「充てん力」が大きくなります。「充てん力」が過剰になるとにじみが発生しやすくなります。速すぎると、「充てん力」が過小となり、かすれ易くなります。インクの粘度と版離れの状態を見ながら調整します。

④ 印刷品質確認

最初にスクレッパ―での版上のインクコート状態、スキージに追随する「版離れ」、そしてインクが掻きとられたスクリーンメッシュの表面の均一性を確認してください。 印刷物は、印刷直後の乾燥前の状態を実体顕微鏡やCCDカメラで確認してください。印刷されたインクがリング照明を反射して、高さ方向の均一性が認識しやすくなります。 2回目以降の印刷結果を確認し、良好であれば20回連続印刷後も印刷形状が変わらないか確認してください。

⑤ 版洗浄

スクリーン版の乳剤面にダメージを与えないように、大量の遅乾性の溶剤で、スキージ面から微細な開口部を洗い流すように洗浄してください。スクリーン版と洗浄の手順が適正なら30ミクロンラインのスクリーン版でも問題なく洗浄できます。
アサダメッシュ洗浄手順は「版洗浄」のページをご覧ください。

⑥ インクの選択

スクリーン印刷用インクは、弾性特性を有することが必須です。弾性特性があるインクは、せん断の力を与えると時間とともに粘度が低下する時間依存性がある特徴を示します。
また、インクの流動性である粘度を測定するためには、正しくせん断速度を測定できる粘度計であるE型粘度計を使用してください。
スクリーン印刷では、400Pa.S(5rpm)までの高粘度インクの印刷が可能です。
高精細印刷では、印刷後の形状保持性が高い高粘弾性インクを使用してください。

PDFダウンロード

※ このページのPDF版をダウンロードすることが出来ます。

TOPに戻る